「地盤改良」に関わる技術評価証明 報告書 (第3 回更新版)
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6. Q & A質問 (1)舗装の設計において、路床のCBRをキャスポルのみで測定し設計CBRとすることはできますか。回答 (1)キャスポルは使用マニュアルにも記述されているとおり、現場での施工管理用または従来の原位置試験の補完用測定器として開発された測定器です。利用の手引きにも示した「道路路床のCBR値の確認例」のように現場での施工管理用に活用してください。また、キャスポルの測定値を設計に反映させる場合は、従来のCBR試験の補完用試験として使用してください。その際は、キャスポルで得られるインパクト値 (Ia値)と従来のCBR試験の結果とを十分検討したうえで用いてください。質問 (2)地盤支持力度が294.3kN/m2以下の構造物であれば基礎地盤の支持力確認をキャスポルのみでおこなえると考えてよろしいのでしょうか。また、294.3kN/m2以下であれば橋台、橋脚、建築物にキャスポルを用いてもいいのでしょうか。回答 (2)利用の手引きにも示した「擁壁基礎地盤の許容支持力度算定例」のようにキャスポルによる測定で粘着力(C)、せん断抵抗角(φ)を推定し、許容支持力度の算定ができます。しかし、粘着力(C)、せん断抵抗角(φ)とキャスポルで得られるインパクト値 (Ia値)の間に高い相関関係が見られるものの、値にある程度のばらつきがあることから地盤の平板載荷試験(JGS 1521)の補完用試験として用いることをおすすめします。なぜなら、C、φの回帰式を求めた地盤材料と実現場の地盤材料の粒度組成などが大きくかけ離れた場合には、求められる結果が変わるからです。また、狭隘箇所等で、キャスポルのみで支持力確認を行うときは、発注者等の関係機関と十分協議のうえ用いてください。構造物の種別については、特に限定はしませんが、構造物の重要度等を十分勘案のうえ用いてください。質問 (3)軟弱な粘性土についてもキャスポルで測定できますか。回答 (3)キャスポルの使用マニュアルにも記述されているとおり、粘性土の場合は、一般にインパクト値は低い値を示すので、測定値のバラツキなども考慮し測定結果の精度について十分検討して使用する必要があります。質問 (4)キャスポルで得られたせん断抵抗角(φ)からN値を推定し、さらにそのN値から一軸圧縮強度(qu)等の土質定数を推定して設計等に用いてもかまわないのでしょうか。回答 (4)絶対にやめてください。そもそも、キャスポルで得られるインパクト値と標準貫入試験で得られるN値との間に何ら相関関係はありませんし、標準貫入試験はボーリング孔を利用した深度方向に行う試験であり、地表面付近の土質定数を推定するキャスポルとはまったく異なった試験です。ちなみに、N値がわかれば種々の土質定数が推定でき、土に関わる設計がすべて可能との安易な風潮があるようですが、様々な角度から意見が出されています。N値についても重錘落下の方法やデータのバラツキ等、数々の課題があります。インパクト値及びN値ともに土質定数を推定する場合は、その測定精度や地盤への適用性について十分吟味したうえで用いることが必要です。-14-

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